組織能力向上・人材育成戦略

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改革(制度)相談事例 ④

2012/11/09

前回は経営全体(経営戦略)の中で人事全体(人事戦略)を俯瞰することの大切さを述べました。
今回は人事全体(人事戦略)を俯瞰する必要の大事さを説明致します。

人事全体の流れ(フロー)は、大きく分けると大体3つになります。

① 1つ目は、人事の入口にあたる「インフロー」です。
此処での作業は、採用にかかるものが中心となります。
採用計画から募集に関する諸業務全般、さらに新入社員や内定者向け入社前研修、学校や労働行政との連携、面接官の面談技量の向上などになります。
経営戦略に関わる要員計画をインフローに組み込む企業もあります。

② 2つ目は、人事の主要業務にあたる「内部フロー」です。
此処では戦略構築から昇格昇給基本制度・給与体系・人材育成体系・人事考課から総務的な日常の勤怠管理や保険手続きなどのルーチンワーク、決算に関係する株主管理や総会運営など、企業によっては人事総務の大きなくくりでの業務全般になります。

③ 3つ目は、人事的な出口にあたる「アウトフロー」です。
此処では退職にかかる諸業務や人員整理に伴うリストラ、最近では定年延長や雇用体系別労働力の確保など意外と忙しくなりつつある領域でもあります。

もっとも、中小零細企業などでは人事部がなかったり、人事総務的業務を経理担当者が担っていたり、組織規模によっては経営者が一人で全部を見ている場合も少なくありません。

しかし、少なくとも従業員がいる組織では、たとえ人事専門部門がなくても組織を効率的、効果的に運営していくためには、自社の仕組みを一度分解して、きちんと機能しているか、仕組みに過不足はないか、などを見直す事は必要かつ重要なことなのです。

「インフロー・内部フロー・アウトフロー」と分解することで人事全体を俯瞰し、整理する事が比較的容易となります。

次回は各フローの関係性をみていきます。


執筆担当:有限会社HRエージェント

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