組織能力向上・人材育成戦略

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改革(制度)相談事例 ③

2012/10/09

前回は、組織規模や社風によって考える各種制度の導入事例を紹介しました。

人事改革や制度改変を行う時に、私が最初に行うのはクライアントに人事の役割や戦略的位置付けを再度認識して頂くことです。

これは、人事セミナーを担当する時でもアイスブレーク的に最初に確認と共有を行います。

人事の役割を経営の目線で俯瞰することで、制度の精度を追い求める迷路に入り込む事を回避できるからです。

経営全体をみると、その体系には営業や経理・財務、開発、企画や技術など業種業態で様々な機能的役割(部門)があるわけですが、人事もその機能の一部であり、人事だけを特別視する事はないと言うことです。

例えば、「わが社の営業は相当な力を持った競争力のある集団です。しかし財務はどんぶり勘定的な大雑把な仕事をしています。」では経営的には問題があります。


「わが社の技術開発能力は業界でも特筆する力を持っています。しかし市場動向やニーズの把握などマーケティングは無頓着です。」でも経営的にはやはり問題ありです。


それと同じく、「わが社の人事はコンサルティング会社と同じくらいの専門能力を持っています。しかし営業は殆ど成果を挙げていません。」では困るわけです。


つまり経営体系の一つ一つが機能していて、しかも各々がキチンと連携しており、トータルで相互補完をしながら相乗作用をする必要があるわけです・


経営全体をみる力があればどうと言うことはない経営的常識なのですが、この当たり前の事が人事戦略を考える時、あるいはその所属部門担当者は、専門知識が豊富であればあるほど、得てして知らず知らずに視野狭窄に陥る事が決して少なくないのです。

次回は全体からみた人事体系を紹介します。


執筆担当:有限会社HRエージェント

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