組織能力向上・人材育成戦略

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人事考課を考察する

2013/01/30

今まで、人事戦略における制度と人事の仕組みの関係を中心に説明してきました。
繰り返しになりますが、人事制度とは経営の目的を達成するための一つの道具であり、手段であります。
当然、道具は使い勝手がいい方が良いわけで、使い勝手の感覚は組織・企業によって変わります。
つまり、経営の目的が明確であればあるほど、各種制度の体系づくりや運用・落とし込みも従業員によりわかりやすく、受け入れやすくなります。
上位概念の経営の目的の共有がなされており、全従業員でベクトルの強い共有化が図れていると、各種制度の機能も高まるのです。

人事のフロー(イン・内部・アウト)やいくつかある機能の中で、敢えて重要な機能・仕組みをあげるとすれば「評価」があげられます。
一般に人事考課・人事評価と呼ばれる仕組みですが、人事の機能の中で核となるものです。
他の各種制度や仕組み・機能を効果的に展開するにあたっての判断材料は、従業員を正しく評価することから得られます。

組織の問題や人事に関する問題、従業員の不満は評価に起因する事が決して少なくないと言えます。
それだけ重要な仕組み・機能でありますが、同時にもっとも難しい仕組み・機能でもあるのです。

人事考課の究極的な目的は、次の2点をを見極める事とも言えます。
①「仕事を知っているか?知っていないか?」
②「仕事ができるか?出来ないか?」

目的だけをみるとシンプルですが、仕事の定義や錬度・尺度の設定、評価のレベル、評価の結果を処遇に反映させるなど、非常に複雑でしかもその作業を主観の塊である人が判断し、行うわけですから目的の明確さに比較し、実際の仕組みや運用はとても複雑になるわけです。


次回からは、人事機能の目的の明確化と個別の意義を説明していきます。


執筆担当:有限会社HRエージェント

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