組織能力向上・人材育成戦略

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人事考課・人事評価を考察する ①

2013/02/28

今回からは、人事機能の目的の明確化と個別の意義を考えていきたいと思います。

人事機能の中で「人事考課・人事評価」については、他の制度より非常に難しい機能(仕組み)の一つと言われています。
もちろん、制度そのものの考え方と同じで、時代の流れや組織の変化や成長によって「人事考課・評価」の仕組みをメンテナンスしていく必要があります。

人事考課の目的は前回述べた通りですが、機能の意義は人事上の様々な決定に必要な成員(従業員・社員等)に関する個人別の情報(能力・成果・モチベーション等)を把握するために行う評定の事であるとされています。

通常は、それぞれの組織の究極的な目的(経営理念等)に沿った人事を適切かつ効果的に運用していくうえで、最も重要性が高いのが「人事考課・評価」と言えます。

機能自体は、昇級・昇格・賞与や昇給・人材育成・ジョブローテーションや適正配置に伴う人事異動などになります。
つまり、人事に関するあるいは組織の活性化に関するあらゆる局面に関係するのが「人事考課・評価」と言えるのです。

この様に非常に重要な機能・仕組みではあるのですが、同時に構築や運用に非常に難しい機能・仕組みでもあります。
その難しさの根源には、「人が人を評価する」という、永遠の問題がそこにあるからです。

実際のところ、組織規模や事業内容の如何に関わらず、人事考課・評価の正解形などないと考えます。
人事諸制度の運用で、成員全員を満足させる事は出来ないという、人事界の常識がありますが、人事考課はその最たるものだと言えます。

もう一つの人事界の常識に、バランスのいい人事諸制度の運用スタイルは、一部の成員だけを満足させるよりは、成員全員に不満を少しずつ負担してもらうという考え方があります。人事考課はまさにその運用でしか成功しないとも言えるのです。


執筆担当:有限会社HRエージェント

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