自然保護団体「和白干潟を守る会」 山本 廣子

yamamoto1
山本さんは、和白干潟のそばで生まれ育ったそうですね!?

はい。1949年に福岡市東区和白にある和白干潟のそばで生まれ育ちました。子供の頃はよく、和白干潟で泳いでましたね。和白干潟は「和白子ども海水浴場」と呼ばれ、県内各地の人々が海水浴と潮干狩りに訪れていたんですよ。私は絵と音楽と体育が大好きでした。地面に絵を描いて遊んだり、松林で皆で遊んだり・・・。

その後についてもお聞かせいただけますか?

子供の時にはピアノを習っていたので、東京の美術大学に行っているときにはギターを自分で覚えてひきながら歌ったりしました。現在はきりえの絵描きをしていますが、低山登山が好きで月に1から2回は行っています。その際は必ずスケッチをしてきます。また、今年1月からはアトリエで「うたごえサロン」を開いて近くの方々といっしょに大きな声でフォークソングを中心に歌っています。

アクティブですね!さて、本題に入りますが、、「和白干潟を守る会」発足の経緯や活動趣旨について教えてください。

私は高校まで福岡で過ごし、7年間東京で絵の勉強をしました。25歳で帰福して、和白干潟を埋め立てる計画を知りました。当時、和白周辺の山や田畑がどんどん開発されていました。私は和白干潟だけは残してほしいと思いました。そして、1987年に友人の協力を得ながら「和白干潟保全」の請願書を300名の署名を付けて福岡市議会に提出したんです。この時に協力した友人たちとともに1988年に「和白干潟を守る会」を作りました。和白干潟を守る会の活動目的は和白干潟の自然を、皆が守るようになることです。和白干潟を地域の宝、福岡の宝、世界の宝として、周りに住んでいる人も日本中の人も、守りたいと思うようになることです。ラムサール条約に登録されることもその一つです。

和白干潟をとりまく状況というのは具体的にはどのようなものでしょうか?

1994年からの和白干潟沖の人工島建設により、和白海域の海水の流れが変わり、静穏域になり流れ込んだ排水が溜まって富栄養化しています。そのために毎年夏から秋にかけて、アオサの異常発生が起こり、11月の北西の季節風に流されて沿岸に堆積して腐り、ヘドロになります。結果、和白干潟の底質を痛めて、カニや貝などの底生動物が生息できなくなります。底生動物が減少して、それらを餌とする渡り鳥も減少しています。

現在の具体的な活動内容をいくつか教えてください。

[和白干潟の自然観察会]
和白干潟の自然を伝えるために、自然観察会のお世話をしています。福岡市や周辺の小中学校や高校や保育園や公民館などに観察会の案内を出して、依頼があった小学校などの観察会のお世話をしています。和白干潟の鳥や底生動物や植物などの観察体験を一緒にして、清掃活動もします。和白干潟の案内をする自然観察ガイド育成の講習会も開催しています。

[和白干潟のクリーン作戦と自然観察]
毎月第4土曜日15:00~17:00に和白干潟の海の広場付近を清掃しています。水質調査や砂質調査も行います。清掃後には鳥やカニの観察もしながら、お茶を飲み、交流会もしています。

[鳥類調査]
環境省「モニタリングサイト1000シギ・チドリ調査」に参加して年間9回の博多湾の鳥類調査をしています。また日本野鳥の会福岡支部の調査に参加して、和白海域の水鳥調査をしています。

[和白干潟まつり]
今年で第25回目になる「和白干潟まつり」は、地域のおまつりとして定着してきています。生協と共催して、「野鳥観察」「干潟の生きもの観察」「植物観察」「ネイチャーゲーム」などが一日で体験できます。ステージではコーラスや器楽演奏、ミニ劇場、マジックショー、フラダンスなど盛りだくさんです。食べ物やフリーマーケットなどのお店を出して参加する人など、皆でつくるおまつりです。「一言アピール」「手をつないで」「干潟の掃除」などもあります。一日和白干潟で楽しく過ごして、和白干潟を守る気持ちを育ててほしいと願っています。

そのほか、和白干潟通信やリーフレットを作ったり、定例会議や総会を開催したり、署名活動に取り組んだりしています。

入会したい場合はどうすれば良いのでしょうか?

お名前・ご住所・電話番号を書いて、年会費2000円を、郵便振替 01720-4-23860 和白干潟を守る会 宛に振り込んでいただければ、会員になります。会員になると年4回「和白干潟通信」が郵送されます。和白干潟を守る会主催のさまざまなイベントに参加できます。また会の運営を担う活動にも参加できます。和白干潟を守る会の活動は多岐に渡っています。自分のできることに参加して、楽しく活動しましょう!

新聞等にも取りあげられているようですね!?

和白干潟を守る会の活動は25年になります。最初はたびたびマスコミの取材がありましたが、最近ではとても少なくなっています。マスコミ各社には、活動を継続することへの支援をしていただきたいところです。そんな中、最近は新聞社の環境担当の方々の取材が継続してあっており、大変ありがたく思っています。新聞やTVに取り上げられると多くの一般の方々が知ってくれます。環境問題はみんなの問題ですから、そんなことがあるのか、そうすればいいのかと理解が増えていきます。それにより環境保全が広がっていく期待が広がります。昨年と今年は、西日本新聞社主催で「和白干潟のクリーン作戦と自然観察」を呼びかけていただいています。参加者が多くなり、和白干潟もそれだけきれいになります。

活動や会の運営にあたって心がけていることは?

会員皆さんの意見を定例会議で聞き、民主的に運営しています。皆の意見で活動を作って行くのが基本です。
またその際、誰も気軽に発言しやすいように、最初に皆で「ミヤコドリ」の歌を歌っています。また男女共同参画を心がけています。会員は様々な活動に自由に参加できます。

山本代表は、きりえ画家ということで、和白干潟にまつわる作品も多いようですね!?

私は30年程前にきりえと出会い作品を制作するようになった時に、和白干潟を主なテーマにすることにしました。ちょうど和白干潟や人工島問題が起こっており、和白干潟をテーマとする作品展はマスコミも多く取り上げました。和白干潟を知らせる力になったのではないかと思います。また私は和白干潟のきりえ作品を「えはがき集」や「絵本」にもしました。より多くの方々に和白干潟を知ってほしいと思ったからです。

これまでの活動を通じた何か思い出深いエピソードがあれば教えてください。

和白干潟を守る会の活動をしていく中ですばらしい方々との出会いがありました。普通に和白で生活していては会うことのない方々です。干潟の自然保護活動を通じて、全国の方々と知り合えて嬉しいです。国内の他地域へ行ったり、韓国や中国など外国へも行くことができました。韓国では干潟の保全グループとの交流や干潟の見学ができました。また韓国のデパートで和白干潟のきりえ展を開催してもらいました。また時々韓国からは和白干潟見学のグループが来られます。交流が活発になり、私たちの目も心も広がります。

今後の展望をお聞かせください。

和白干潟のラムサール条約登録もあと一歩まで来ています。今後、和白の地元の人々や福岡市が、開発優先よりも自然環境の保全を第一に考えてくれるようになるように、働きかけを頑張って行きます。皆さんも和白干潟を守る会を応援してください。自然保護団体も高齢化が進んでいます。若い方々の活動への参加を期待しています。

最後に、閲覧者に伝いたいことがあれば…

私は小さい頃に泳いだ和白干潟が大好きです。干潟は貝やカニ・ゴカイなど小さな生き物たちが生まれて育つ場所です。地球規模で渡りをする水鳥たちが羽を休める中継地・越冬地でもあります。未来の子どもたちへの贈り物です。子ども達といっしょに干潟へ来て、干潟にある宝物を見てみませんか。小さな生きものたちに出会ってほしいと願っています。私は私のきりえ作品をとおして、和白干潟や地球の自然の大切さを伝えたいと思っています。
現在「和白干潟のラムサール条約登録」を求める署名を集めています。多くの方々の和白干潟保全への思いを環境省と福岡市に届けたいと思います。ご協力いただける方は
和白干潟を守る会のホームページ:http://www14.ocn.ne.jp/~hamasigi/
よりダウンロードできますので、ご協力をよろしくお願いします。署名は2013年12月が第1次集約、2014年12月が第2次集約です。

自然保護団体「和白干潟を守る会」公式ホームページ >>